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無期雇用労働者を増やすはずの「改正労働契約法」がなぜ「5年有期雇い止め促進法」になってしまうのか

この4月から、連続5年を越えて働いた有期雇用労働者が申請すれば、会社はその人を無期雇用にしなければならない「改正労働契約法」が施行されました。一見、これで非正規の労働者も雇い止めを心配することなく働き続けられるようになると思えますが、実はこの法案には一部独立系労組などが以前から指摘していた大きな抜け穴がありました。

「世界」5月号が「改正労働契約法」を取り上げています。「ルポ・労働契約法は『改正』されたのか?」
最新の総務省調査によると、全国の有期雇用労働者は、全就業者数6228万人の23%にあたる約1410万人にのぼります。今回の労働契約法改正はこれほど多数の人に影響を与えるというのに、その問題点があまり理解されていないようです。
「世界」に掲載されたルポを中心にまとめながら「改正労働契約法」の問題点、その及ぼす影響を考えてみました。

まず、問題の「大きな抜け穴」とは多数の有期雇用労働者を無期雇用にしたくない企業が5年以内で雇い止めにするのではないかということです。
この「改正労働契約法」は昨年7月末参院厚生労働委員会で採択されたのですが、大量の雇い止めを生み出す危険性があるというのに審議に費やした時間はわずか2時間、反対したのは共産・社民のみで採決されてしまったのです。当時から独立ユニオンのひとつ「首都圏青年ユニオン」の河添誠・青年非正規労働センター事務局長などはこの「改正労働契約法」は実は「5年有期雇い止め促進法」だと警鐘を鳴らしていましたが、やはりその懸念は当たってしまったようです。
例えば、法律の施行前に先手を打ち4年雇い止めを行ったのが、全国チェーンのコーヒーショップ・シャノアール(ベローチェ)。国立大学である大阪大学も有期雇用教職員の通算雇用年数を原則5年以内とし、教育研究の遂行上必要と大学が特別に認める場合のみ5年以上雇用すると事実上の5年雇い止めを画策しています。知人が長年契約社員として勤務しているある企業でも、明らかに改正法の影響で雇い止めが始まったそうです。

なぜこんな事態になってしまったのか。「改正労働契約法」自体に大きな欠陥があるからです。この法の3本柱は18・19・20条とされています。有期労働者が契約更新にもつ「期待権」に合理的理由があれば企業は一方的な雇い止めはできないとした19条、正社員・有期雇用労働者問わず同一労働・同一賃金など労働条件の平等を定めた20条は正当なのですが、問題は18条です。18条は、勤続5年を越えた有期雇用労働者を無期に転換できるとしており、一見無期雇用を増やしていくように思えますが、現実はその通りにいかないことが労働現場の実状を知る弁護士などから指摘されています。
まずは、無期雇用になるためには労働者自らがその意思表示をしなければならないこと。現実には解雇を恐れて言えない人が多いのではないでしょうか。本来は当人の意志と無関係に5年を経過したら自動的に無期雇用にすべきなのです。
次に「クーリング期間」問題があります。連続3年間働いても、その後に6ヵ月以上の空白期間(クーリング期間)があると、再びゼロから出発になってしまい、これを繰り返せば、いつまでも有期雇用労働者にされてしまうのです。雇用期間は連続かを問題にせず通算で考えるとしなければ、無期雇用を増やしたくない企業は3年で雇い止めとするような措置をとるでしょう。

今回の法改正にあたって参考にされたのは韓国の制度でした。韓国では2007年、「非正規職保護関連法」が施行。2年を越えて働けば、無期契約になったとみなされる。勤続5年越えを条件とした日本より、更に有期労働者に有利な制度に思えますが、2年未満で雇い止めとなった労働者が多数出たという事態が報告されています。更に、経営側は、正規職と分けて「運営職」「準運営職」「無期契約職」と新たな区分を次々と作り巧妙な分断工作を行いました。ちなみに韓国では、無期転換できた人も大多数は非正規と正規の中間という意味で「中規職」と呼ばれ、賃金はじめ正規職とは待遇面で大きく差を着けられたままです。
韓国でも日本でも、無期雇用労働者を増やすことが目的のはずの法改正によって、かなりの有期雇用労働者が解雇されてしまうという本末転倒な事態になっているのですが、その原因は改正法が労働者を使い捨てにしたい企業のために姑息な抜け道を用意したものだったことにあります。
ところでこの件でちょっと見直したのが日本マクドナルド。改正法に則り、全ての有期労働者を無期にするとのこと。同社は「これまでも無期限に契約更新をしてきたから、実質無期だった。無期にしても、作業量も賃金も変わるわけではないから」としているそうです。しかし、これは例外的で、現実にはかなりの有期労働者が改正法によって解雇される危険性が高いのです。なんのための改正法なのでしょうか。

そもそも、根本の問題は「有期労働という労働形態はあっていいのか」ということなのです。子育て中などの理由で労働者自らがパートタイム労働を望むというケースはありえますが、有期雇用そのものは労働者にとってなんのメリットもありません。ヨーロッパなどでは、基本的に無期で有期労働者の雇用の際には、なぜ有期でなければならないかの理由を求められる「入り口規制」があるのに、日本ではこうした規制については議論すら見送られたままです。

労働問題に詳しい識者は、改正法に関しての労働運動のスタンスとしては、改正法を最大限に活用して労働者の権利を拡大する、または不十分な法の再改正を要求するというふたつの方法があると指摘しています。首都圏青年ユニオンは後者の道を選ぶとしていますが、まだまだそうした姿勢を明確にしている労組は少ないようです。
前述のシャノアール(ベローチェ)には組合がなかったので、女性パート社員が首都圏青年ユニオンに持ち込み、粘り強く団体交渉を行った結果、当初会社が通告した今年3月解雇を3ヵ月延長させる譲歩を引き出しました。もちろん、パート社員やユニオンはここで妥協する気はなく、雇い止め撤回を目ざし交渉を続けるとのこと。「それでも労組の団体交渉があったからこそ、この譲歩を引き出せた。逆に考えれば、労組のない職場では容赦なく雇い止めが進むでしょう」「この問題を重大視する労組はあまりない。私たちだけで1410万人への対処はできない。多くの労組に立ち上がってほしい」と河添さんは語っています。

【ぽむ】

・参考リンク(PDFビューアがないと見れません)
労働基準法施行規則等の一部改正について

[編集部より]
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密室で進む生活保護の大幅見直し

6月22日の毎日新聞に雨宮処凛さんが、現在進行中の生活保護見直しについて「費用削減より命が大事」と題した記事を寄稿されている。残念ながらWEBにはアップされていないが、重大な事なので、この雨宮さんの記事や他の報道も参考にして改定案の問題点をまとめてみた。

先月14日、厚生労働省は生活保護受給者が200万人を越えたと発表した。
20年来の貧困層の広がりに加え、東日本大震災での被災で受給を余儀なくされている人は増えている。その数は戦後の混乱期並みだという。
その「最後のセーフティーネット」生活保護制度の大幅な見直しという重大な協議が、密室で行われようとしている。
5月30日、生活保護制度の改定について厚生労働省と地方自治体との協議が始まった。この日の協議は一般傍聴不可ながらメディアには公開されたが、8月までの取りまとめを目指し、今後の協議は事務レベルですすめるとしている。厚労相は事務レベル協議はメデイアも含め「非公開」との事なので2回目以降は日程も知らされず、メデイアも入れず、議事録さえ公開しないということになる。
そんな協議に異議を唱えるのは自立生活サポートセンター・もやい理事長の稲葉剛氏。

「まずはプロセスの問題ですね。福祉の制度を作る中で、例えば障害者施策だったら当事者の意見を聞く。それがないのは今時ありえない」

さらに問題なのは、改定案の中身そのもの。
議論の中心となるのは、昨年10月に政令指定都市市長会が発表したもので、その骨子は

働ける年齢層(16~65歳)に対して
●就労自立を促しボランティアや軽作業を義務づける
●ボランティアなどへの態度をみて3~5年で受給の可否を判断する更新制度を導入する――など生活保護に有期制を持ち込む。
●医療扶助も一部自己負担とする
となっている。

増え続ける生活保護費を抑えることが狙いなのは一見して明らかだが、前述の稲葉氏は強い懸念を表明している。

ひとつは事実上の有期制になるのではないかという点。とにかく「働け」と就労指導し、3~5年で自立できなければ打ち切りということ。この有期制、アメリカでは貧困母子家庭支援に対して適用され、その結果、自殺やホームレス化が増えたという。もうひとつは医療費の一部が自己負担になるのではないかという点。「一部くらい」と思う人もいるかもしれないが、生活保護受給者の8割は高齢者と病気・障害を抱える人たちなのだ。一部とはいえ医療費の自己負担は大きい。生活費が減ることを恐れて病院行きを遅らせれば命を落としたり、あるいは重篤な状態に陥り、結果としてより医療費が高くつくことにもなりかねない。
そして「なんでもいいから働け」と強要され追い詰められた結果どうなるのか。2007年7月、働けないのに働けと言われ、生活保護を辞退した男性が 「おにぎり食べたい」と日記に残して餓死したことは当時かなりの衝撃を社会に与えたが、同種の事件はその後もいくつも起こっている。雨宮さんの記事によると稲葉氏の知人には、厳しい就労指導に耐えられず「生活保護をやめて福島原発に行く」という人もいたという。

政権交代前の2008年に出版された「反貧困」で湯浅誠氏は「日本社会は、貧困問題に関して、スタートラインにさえ立っていない」と述べていた。政権交代後の2009年10月、民主党政権は「相対的貧困率」を初めて発表した。その意味では「スタートラインに立った」とはいえるかもしれない。しかし、今回の改定案を見る限り 「立ったけれど、スタートラインからさらに後退」  に思えてならない。

【ぽむ】

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