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消費税還付とは? その2

前回の続き。2009年度の国税滞納額、7.478億円のうち消費税の滞納は、3,742億円で50%を占めている。
どうしてこれほどまでの滞納金が消費税ではおきるのだろう?ただ単に客からもらった消費税を預かっているだけならちゃんと税務署に納められるのではないだろうか?

09年分の消費税還付金 輸出大企業10社に8014億円
・税理士・湖東京至さんが推算

輸出大企業は1円も払わず

 消費税には驚くべき不公平があります。中小事業者は消費税を完全に転嫁できないにもかかわらず納税額が発生し、納税資金の手当てに四苦八苦しています。一方、トヨタ自動車などの巨大輸出企業は消費税導入以来、1円も納税しないばかりか毎月巨額の還付金をもらっています。
 表1は、最新の各社の有価証券報告書から推算した年間還付金の上位10社です。還付金が一番多いのはトヨタ。上位10社だけで還付金は約8000億円に上ります。
 10年度の政府の予算書によれば、還付金は国の4%分と地方消費税の1%を合わせて3兆3762億円。この還付金額は5%の消費税収入12兆475億円の28%に相当します。税収が足りないときに何で輸出大企業に還付金を払わなければならないのでしょうか

消費税還付10



どうも、中小企業が親会社に消費税分を完全に価格転換できていないようなのだ。つまりは前回した饅頭の計算例の「原材料費購入時に払った消費税分(100円)」がちゃんと払われておらず、材料問屋が身銭(100円)を切ってるようなのだ。もしちゃんと払われているなら、2009年度の国税滞納額3,742億円というのはありえないではないか?しかし、還付金だけで3兆3762億円というのは驚くべき額だ。
さらに読み進めると


経済取引では価格決定権をもっているのは常に親企業ですから「消費税分はまけとけ」と言われれば、その価格で納品しなくてはなりません。つまり消費税は、価格への転嫁が力関係で決まる不透明でいいかげんな税金ですから、下請けに払ってもいない税金を返してもらっているのです。



たしかに、そういう親会社と下請けの力関係は存在するだろう。もっと読み進めると、さらに意外なことがわかる。


13の税務署が還付で赤字に

 全国の税務署のうち消費税の還付金が消費税の税収を上回っている税務署、つまり赤字の税務署が13もあります。
 表2は赤字の税務署をマイナスの大きい順に並べたものです。1位はトヨタの本社がある愛知県豊田税務署です。


101115c.jpg



ぼくは「え゛!、税務署ってお金を集めるところじゃなかったの?」と思ったのだが、お金を戻すのも税務署の大切な仕事なのだ。
この表にあるように愛知・豊田税務署では、消費税収入ではトヨタ自動車への消費税還付のほうが多く1,616億円マイナスだ。
よくみると上位1~4は自動車会社というのもなんだか興味深い。

ここにある話が本当だとして、中小企業が親会社に消費税分を完全に価格転換出来ていないのは確かだろう。ただ問題は、それがどの程度なのか詳細な調査データがないということだ。まずはこのあたりのことをはっきりさせるべきだろう。誰か(おそらくは中小零細)が消費税分身銭を切るということがないようにしなくては、消費税の滞納額3,742億円(2009年)というのはなくならない。

「消費税還付金」は消費税の複雑な問題点の一つであって、これが消費税の問題点のすべてではない。
毎日われわれは消費税を払っているにもかかわらず、ちゃんとした金の流れがわかっていない。こうした仕組みについてはもっと議論と調査を尽くすべきだろう。

次回(6/3)は「消費税と法人税」について考えてみる。

【Takky@UC】

以下参考リンク
・経団連成長戦略2010批判
- 消費税増税・法人税減税を求める異常 -
(1)消費税

輸出企業に消費税が還付されるしくみ(読むにはPDFリーダが必要)
消費税の廃止を求める関西連絡会
専門家委員会
税理士 林 明

[編集部より]

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