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「続:密室で進む生活保護の大幅見直し」

先日、ちょっとした機会があって、うつ病で療養し復職準備している青年に会ってきた。
ぼくも大病をして長期入院、復職、ということを何度も繰り返している。だから職場復帰というのがいかに大変なことかは経験しているつもりだ。さらにうつ病というのは、一見健常者と変わらないし、本人の体調というのは、その本人にしかわからない。ぼくも大腸を全摘出してしまって内部障害を持つが、そんなことは自分で言わない限り誰にもわからないだろう。内部疾患というのはそういうものだ。それでうつ病の彼は仕事に行く代わりに近所の図書館に通って、仕事に耐えられるかトレーニングしているといっていた。だけど6時間も座っていると耐えられなくなるという。なんとかして早く復職しなければと、あせる気持ちは、ぼくもよくわかる。ぼくも退院後に2度も腸閉塞(イレウス)になり病院に逆戻りしてしまったことがあるし、あせればあせるほどうまくいかないこともあるものだ。

以前のエントリ
「密室で進む生活保護の大幅見直し」

を今一度読み返してもらいたいのだが、生活保護を有期制にしようとするとんでもないものだ。
生活保護受給者の8割は高齢者と病気・障害を抱える人たちだが、ちょっとでも働けそうな人がいれば「なんでもいいから働け!」と強要されるのは目に見えてる。うつ病の彼だって、もし職場復帰がうまくいかなくて、そのまま職を失い、貯金も尽きてどうすることもできなくなったら、生活保護に頼らざるを得なくなるかもしれない。
一度職を失ってしまえば、ぼくやうつ病の彼のような持病もちはなかなか仕事が見つからない。有効求人倍率は0.64%程度(2011年8月現在)であり、健常者でも就職できないのに、どうやって仕事に就けというのだろう?もし仕事をしていないという理由で、生活保護打ち切りとなれば、「おにぎりが食べたい」といって餓死していった北九州市の事件が後を絶たなくなる。
不正受給者の問題(*1)をあまりに大きく捕らえすぎて、本当に生活保護が必要な人が受けることができずに餓死していくのは本末転倒なのではないか。この日本で餓死者を出すということ自体、行政は恥ずべきである。誰だって好きで病気になったりはしないし、病気するまでにはちゃんと働いていて税金を納めていた人たちだ。そういう人たちを病気で働けなくなったとたんに見放す日本の社会であってはならない。

【Takky@UC】

前回エントリで書いたことの繰り返しになるが、この制度改革の骨子は

働ける年齢層(16~65歳)に対して
●就労自立を促しボランティアや軽作業を義務づける
●ボランティアなどへの態度をみて3~5年で受給の可否を判断する更新制度を導入する――など生活保護に有期制を持ち込む。
●医療扶助も一部自己負担とする

というもの。増大する生活保護費を抑えるために、生活保護の請求権を制限することが狙いであることは明らかだ。
当初、8月中の取りまとめを目指していたこの制度改革だが、9月現在も国と地方の事務レベル協議が続けられている。
協議延長は、この制度改革をリードしてきた指定都市市長会(*2)の要請らしい。

働ける年齢層(16~65歳)に対して就労自立を促しボランティアや軽作業を義務づけるという改定案も昨年10月に指定都市市長会が発表したもの。その「ボランティアの義務づけ」は「意に反する苦役に服させられない」と定める憲法18条に抵触するため、厚労省も「慎重な検討が必要」と認めているそうだ。これでは、官僚のほうが地域主権改革を唱えるこれらの市長たちよりは憲法の精神を重んじる姿勢があるだけまともに見えてしまう。

また、10月から始まる求職者支援制度(雇用保険を受給できない求職者が月額10万円の生活給付付きで無料の職業訓練を受けられる制度)の活用を生活保護の受給要件とすべきと主張しているのも自治体側だ。一応「稼働能力のある人たちについて」とは言っているが、Takky氏が述べているように生活保護受給者の8割は高齢者と病気・障害を抱える人たちであるにもかかわらず、請求権の制限が際限のないものになっていくのが目に見えている。

「住民の福祉の増進を図る」役割を担っているはずの地方自治体がこれら改悪の先導役になっているのだ。近年、地域主権改革や道州制が、あたかも地方自治の健全な発達を促進するかのような宣伝が盛んに行われている。しかし、今回の件での市長会の動きからもわかるように、これらの改革がもたらすものは「ナショナルミニマムの崩壊と更なる過激な新自由主義化」になりかねないように思えてならない。

【ぽむ】

*1: 不正受給は生活保護費の0.3%程度らしい。
*2: http://www.siteitosi.jp/


[編集部より]
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