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投資と貯蓄のパラドックス

日本で一年で生産された商品の総額は約500兆円。国民の総収入も500兆円。商品の総額と収入の総額は常に等しい。この二つは違うことが出来ない。だからすべての収入が支出されればすべての商品が売り切れる。
 ここで、三面等価の原則というのがあって、
国民の総生産=国民の総収入=国民の総支出
なのだというのだそうだが、これは、500兆円の商品がすべて必ず売り切れるといっているのではなくて、この場合490兆円しか注文がなくて10兆円の商品が売れ残ったとすると、その10兆円の在庫品は企業が支出して買ったことにして総支出の中に含める、という会計学上の操作、トリック(by石川秀樹先生)によって成立しているのだそうだ。
貯蓄=投資
という等式にしても、貯蓄はすべて投資されるといっているのではなくて、この場合、10兆円が貯蓄(退蔵)されて投資されないでしまうと、490兆円の支出、ということは誰かが誰かに490兆円支払った、ということは誰かが誰かから490兆円受け取った、ということはつまり総収入も490兆円になり、10兆円減ってしまう。つまり10兆円貯蓄すると10兆円どこかが貧しくなる(マイナスの貯蓄が発生する)。プラス10兆円とマイナス10兆円で全体としてはゼロで貯蓄ができたことにならない。
 結果としての貯蓄=0 で  投資=0 なら 貯蓄=投資=0
 さてこのとき、ある誰かが1兆円の事業をこころみた。(投資決意)。けれどお金はないのでツケで支払うことにした。
 「○○円(ツケ)」と書いた紙に署名捺印して部品の支払いにあて、(10兆円の在庫品があるのだから品物は必ず出てくる。)「○○円(ツケ)」と書いた紙に署名捺印して労働者に支払って(10兆円も在庫を抱えているのだから稼動していない生産設備も失業者も必ずいる)生産活動をすると1兆円分の商品が出てくる。
「○○円(ツケ)」とかかれた紙切れが回りまわってその商品と交換されればその紙切れは実は紙幣と同じだったのだし、結果として日本の生産も収入も1兆円増えている。
 貯蓄が増えれば投資も増えるのではなくて、投資が増えれば貯蓄も増える、のだ。
 このようなツケはこの場合10兆円まで可能だ。

現在の日本ではしまいこまれた貯蓄(各種の積立金等も含む)と海外に流出した所得が累積し合計で数百兆円に上っているらしい。ということは数百兆円のツケが利くということになる。
 いまどこかから財源を見つけてきて公共投資をしようとしても全体で投下されるお金は増えない。右から左に移動するだけだ。それでは貧困もどこかからどこかへ移動するだけになる。数百兆円のツケを背負って大バラまきをしなければいけない。
 小沢一郎にそれだけの根性があるなら、数百兆円の人気取りばら撒き政策を掲げて権力を取れ、と言いたい。

【shn】http://homepage2.nifty.com/okutamahomeless/jokyoshn.htm

[編集部より]
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