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消費税(3) 消費税の正体?

国の歳出歳入の内訳を見てみよう。

平成20年度一般会計歳出歳入の内訳
http://www.mof.go.jp/zaisei/con_02_g01.html

平成20年度一般会計歳出歳入の内訳
(↑クリックすると画像が拡大します)

これを見ると歳入における消費税収は10.6兆円(12.8%)である。
たった5%でヨーロッパの一国分の国家予算くらいの消費税を日本は集めている。
これだと日本一国にヨーロッパの小国が10個くらいあるように思えないだろうか?
もし仮に消費税が5%(国税4%、地方税1%)から10%になれば、税収は20兆円以上になり、歳入における税収は割合は25%程度になるだろう。さらに酒税、ガソリン税(揮発油税)などいれれば、応益負担であるこれらの税負担は相当な割合になってしまう。

ここに税収の推移がある
主要税目の税収(一般会計分)の推移
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/siryou/011.htm

主要税目の税収(一般会計分)の推移
(↑クリックすると画像が拡大します)

消費税が導入されたのは1989年(平成元年)である。そして5%になったのが97年(平成9年)である。
ほぼ一定して10兆円税収があり、取る側である財務省からみれば安定した財源だろう。しかし所得税と法人税はだんだん下がってきている。所得税は累進性を弱めたことでお金持ち優位になり、税収が落ち込んでしまった。

所得税の税率の推移(イメージ図)
http://www.mof.go.jp/genan22/zei001e.htm#01

所得税の税率の推移(イメージ図)
(↑クリックすると画像が拡大します)

所得税は昭和61年は15階段(最高税率70%)だったのが、平成6年度には5段階(50%)となり、平成18年では4段階(37%)まで減らしてしまった。あまりに累進性を弱めてしまったために、現行では6段階(40%)にもどしたのだろう。しかし、昭和61年度と比較すれば累進性がかなり弱い。法人税減税5%(1.5兆円)については以前のエントリで取り上げたとおりである。
つまり、消費税が増えたところで、それは所得税・法人税減税の穴埋めに今まで使われてきただけのことである。そして、そのお金持ち・法人税減税を要求する経団連が自分達の税負担を減らすために「日本の消費税5%はヨーロッパなどの高福祉高負担の国と比べて低い。まだまだ上げる余地がある!」と言ってるだけに過ぎない。日本の消費税は外国の観光客がお金を落としていくのではなく、日本国民がお互いに取り合っていることを再び思い出してほしい。

毎日の生活費の出費割合の多い低所得層には、消費税負担が大きい。これを逆進性と言う。このような逆進性の強い日本の消費税を社会保障や財政再建のための財源とすれば、多くの低所得者層の生活は破綻するだろう。消費税は「消費一般に広く公平に課税する税だ」などというのは、まやかしだ。日本の平成22年度(2010年度)予算における税収構成比は、消費課税32.8%となっている。日本の消費税率5%という数字の低さにまどわされてはいけない。

【Takky@UC】


[編集部より]
Takky@UCさん執筆の消費税に関するエントリは、今回が最終回です。当ブログでは、mixiの「鍋党コミュ」参加者のみならず、読者の皆さまから広くブログに掲載するエントリを募集しますので、われこそはと思われる方はどしどし原稿をお寄せ下さい。投稿は、当ブログのコメント欄(非公開コメントの投稿が可能)などをご利用ください。心よりお待ちしております。なお、お寄せいただいた原稿は、当ブログでの公開に先立って、「鍋党コミュ」内で公開する可能性があります。コミュでの議論に興味がおありの方は、是非ご参加ください。
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テーマ : 税金
ジャンル : 政治・経済

■ Comment

所得階層分布からみてどうか

無記名さん(財源重視さん?)が指摘された累進直接税の有効性の観点は今まで見落としていたことで個人的に考えさせられました。米国のように高額所得者が青天井に稼いでいる国であれば最高税率を引き上げれば引き上げた分だけゴッソリ税収増となるけれども日本のような年収1500万円を超える層がほとんどいない(それを超えているのは大半が自営業者で経費で逃げられてしまう)国ではすんなり税収確保とはいかないんじゃないかと。
確かに日本で富裕層から貧困層に再分配、といっても実態としては米国の様な「邸宅に住んでいる少数の資産家が慈善活動に寄付をする」感じではなくて「上場企業に働くサラリーマンが派遣労働者を補助する」感じになるんですよね。(あくまで分かりやすい例えですが)
現実的に再分配の原資を確保するためには年収600~1500万円クラスの層から納税してもらうほか無く、かつこの層は(それ以上の高額所得者とちがって)所得を消費に回す比率も決して低くはないでしょうから嗜好品に対象を絞った間接税の形で徴収しても税収額は直接税と変わらないかもしれません。所得から引かれてしまう直接税よりも納税者感情として合意が得やすいでしょうし、何より自営業者の経費逃げという不公平を避けることができますし。
同じく無記名さんが指摘されていた戦略的な観点もすごく重要です。「高額所得者には増税して低所得者には分配を」と主張するより「嗜好品を消費する時に余分に払った税金を福祉や失業対策に」と主張する方がだいぶ分が良くなりますよね。
日用品消費まで増税してしまおうと目論む筋にしっかりクギを指せるのであれば、(勢いを獲つつある河村小沢一派への対抗上)消費税増税議論を一概に否定すべきではないのではと私個人的には考えつつあります。

No title

>桃色クジラさん

仰るとおりです。
日本の労組は企業主義で腐敗し、労働者から支持されなくても仕方がない状態になってしまいました。これを変えないことには、庶民の生活がますます苦しくなってしまいます。

メトロうさぎさんに賛同します。

メトロうさぎさんのおっしゃる通りだと思います。この国の労働組合というのは本当に一部の人たちしかカバーしていません。中小企業のパート社員などからみれば、大企業の労組など、ほとんど「特権階級のクラブ」でしかないでしょう。「春闘」などと言っても、ほとんどの人たちにとっては雲の上の出来事でしかありません。「就活の学生が大手ばかりを狙いたがる」という非難もありますが、こうした労働者の中での「身分のちがい」がはっきりしている以上、彼等を非難することは出来ません。

そしてその背後にある、大企業の下請け泣かせが問題です。下請け(孫請け)の中小企業の経営者の中にはやむおえず、自分や家族の給与を削って従業員に支払っている人たちもいますが、そこまでして切り詰められたお金が大企業の利益として蓄積されていきます。これではとても、公平な社会とは言えません。

この辺の構造にも手を付けて行かないと、社会の中での富の再分配は上手くいかないでしょう。

民間企業もまた再分配制度の中枢を担っている

鍋党、そしてTakky@UCさんの主張にとても共感しています。
そこに補足する形で、私見を述べさせてください。

庶民の給与は誰が払っているのか?といえば、その大半を占めるのは企業です。

この不況下にあっても、大企業は莫大な利益をあげています。しかし中小零細は縮小し、したがってそのほとんどが中小零細企業の労働者たる、日本国民全体が困窮する状態になっています。

日本は欧米と比較して製造業の中小企業が異常に多いですが、その原因は、輸出中心の大企業が、自社の社員には負担させられない労働を、表向きは別会社である下請けに負わせることで利益を生み出している社会構造にあります。

大企業には労組もあり、また世間体もあることですから、自社の従業員に劣悪な労働環境を強いることができません。そこで自社とは直接的な関係がない下請けに、限界ぎりぎりの価格と納期を押し付けることで、大企業に都合よく中小企業の労働者から搾取できる体制を作り上げてきたのです。

大企業の莫大な利益や内部留保が社会に還元されないのは、実質的に大企業の利益に直結する労働を行い、かつ日本人労働者の大半を占める中小企業の労働者に対して、大企業の利益が回ってこないことが原因です。中小零細の労働者は『努力しても報われない』存在なのです。

ではどうすれば、この莫大な富が労働者全体に還元されるのでしょうか?

欧州で出された答えは産業別/職能別に組織された労働組合です。スエーデンのペールヌーデル氏が述べた政財労の三者協定システムは、このような下地があって初めて実現可能になります。この三者協定は、北欧の専売特許ではありません。西欧であればありふれた社会のシステムなのです。

したがって、日本でもこの『実際に西欧・北欧の社会で実現され、よい結果を生み出している制度』を取り入れる必要があります。

弱者たる一般庶民がより幸福になるためには、国家による再分配と同じように、企業による『正しい』利益の分配が行われることも、また重要だと思います。

長くなってすみません。

No title

先のエントリーの無記名コメントの者です。現状では消費税が法人減税の穴埋めに使われているというエントリー筆者さん御主張は、そのとおりだと思いますし、私も法人減税に反対し累進税率を強化することに賛成します。それでいてなお増税は必要であり、その財源を間接税に求めた方がよいと私は考えています。

現状のサービス給付水準で満足しており、医療・福祉・介護労働者の労働条件と賃金水準も現状のまま据え置くべきというなら、法人減税をやめて累進税率を元に戻すだけで、消費税を引き上げなくてもよいでしょう。しかしそれでは現状の歳出・歳入規模を維持してその中で税源を代替させたというだけでおわります。現状以上のサービス給付や国保国庫負担率の引き上げを求め(おそらくそうだと思うのですが)、労働者の労働条件に思いを馳せてみるのであれば、さらにプラス・アルファの財源が必要です。その場合、富裕層への課税強化だけでどれだけ現状以上に税収を増やすことができるかが問題となります。

所得税ないし累進税中心の税体系は、実はアメリカのような貧富の格差がケタ外れに大きい国で有効なのです。アメリカでは所得階層の上位10%が全所得の50%前後を有しています。だから間接税に頼らなくとも、累進税率を強化するだけで税収が大幅に増えます。日本ではたしかに格差社会化が進行しているとはいえ、累進税率強化だけで十分な税収を得られるほど貧富差は広がっていません。その場合には間接税の方が税収を大幅に増やすことができます。また法人税・所得税収は景気変動の影響をもろに受けます。景気が悪くなったからといって給付水準を大幅に引き下げるというわけにはいきませんから、その場合には赤字国債の発行に頼ることになります。

間接税負担の際の重税感や逆進性は、給付を累進的にすることで、要は給付と負担の差し引きがプラスになればよいと考えるというのは、いかがでしょうか。また戦術的にいっても、間接税を飲んでから累進税率引き上げや給付水準引き上げを求める方が、権利性という点で給付を要求しやすいと思います。ただし戦術論はこのコメントでは二次的・三次的問題とさせてください。
(このコメントは週刊東洋経済2010年4月24日号74-75ページの伊東光晴を参考にしています)

また長くなりました。長文失礼いたします。

No title

自営業者で常識化している偽経費計上のような「節税」による
税の取りっぱぐれがないということで大型間接税の導入は
政府・財務省にとって悲願であったものの、それ単独では
増税となってしまい選挙に負けてしまう(大平内閣だったか)
ということで直接税減税をあわせて「トータルでも減税ですよ」
の形にしてやっとこさ消費税誕生いう流れだったと記憶してます。

しかし、税率というものは下げるのは簡単ですが上げるのは
(民主主義国では)本当に難しいものなので、「減税」をやる
のはもうよっぽど必要性に迫られない限りはやってはいけない
ことだと思うんですよね。
そういう貴重な「減税」カードを富裕層減税に使ってしまった
というのが本当に悔やまれます。
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 「鍋党」(Nabe Party)の参加者がつくるブログです。
 「鍋党」は、再分配を重視する市民の会です。私たちは、格差の縮小と貧困の解消を目指し、国や地方公共団体による、富の再分配の強化を求めます。そのため私たちは、「官から民へ」ではなく、「私から公へ」を追求します。

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