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未曾有の大災害に「小さな政府」では立ち向かえない

東日本大震災の犠牲者の数は日々増え、2万人は超えるという信じがたい人数になってきています。
現在避難してらっしゃる方の数も何十万人単位です。
津波や原発事故でほかの土地に避難せざるを得なくなり、財産も生活手段も奪われた人々は国のしっかりしたサポートなしには生活を立て直すことはできません。

確実にいえることは、これほどの災害は国が全面的に当たらねばどうにもならない、民主党政権や「減税真理教」の減税日本が目指す小さな政府では十分な対応ができない、ということです。
この冬、島根や鳥取は大雪で大渋滞や鉄道の立ち往生といういつもなら起こらない雪害が起きました。これは公共事業費カットと、雪害の対策費を事業仕分けしたせいではないかと言われています。
日本は台風、地震と自然災害に見舞われることが多い国です。
減税(しかも減税対象は大企業や富裕層ばかり)さえすればいいってものではないということの証明といえるでしょう。

ところが政府は、被災者の生活保護は受け入れた地方自治体が負担するように通達を出しました。これほどの国難にもかかわらず負担を地方自治体に丸投げです。
災害でやむをえず解雇されるという二次被害を被った者にもなんの対策も出さないままだし、悪質な便乗解雇にも「便乗解雇はやめましょう」と呼びかけるだけで実質的には野放し、と大災害による経済危機には無策のままです。
また、あろうことか計画停電による休業分の賃金は未払いでよいと厚労省はお墨付きを出しました。
国が率先して被災による損害に対処しないなら、しわ寄せをうけるのは、被災者や派遣などの経済的弱者です。

案の定今の財政では足らないので、政府は臨時増税を模索しています。
しかしこの増税案には消費税増税が提唱されています。これでは災害で損害を受けた国民が自分自身で自分に補償するお金を出すようなものです。
一方で国は東電は民営に据え置いたままでの公的資金投入を決めました。
東電は莫大な内部留保を溜め込んでいるというのに、東電に代わってまず国民の税金で(消費税増税したら経済的弱者や被災者から更に吸い上げた税金も含まれる)賠償しようというのですから、どこまでも大企業に甘いとんでもない話です。

再分配システムを機能させた「大きな政府」でないと災害時に国民を守ることができない、ということが今回の震災で一層はっきりしたのではないでしょうか。
【秋原葉月】

[編集部より]
東日本大震災の影響で中断していた「鍋パーティー」のブログを再開します。当記事へのご意見ご感想をコメント欄にお寄せ下さい。また当ブログに掲載する記事を募集しますので、ふるって原稿をお寄せ下さい。よろしくお願いします。
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■ Comment

No title

ほとんどニュースにもなっていないようですが、先月31日、参議院は、日本からヨルダンに原子力技術を供与するための原子力平和利用協定(原発輸出政策法案)を圧倒的多数で可決しました。

http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011033101000806.html

協定は参院先議で衆院でも近く可決、承認される見込み。連日、福島原発事故の深刻な状況が伝えられる最中にです。
賛成230票に対し、反対はわずか11票。反対票を投じたのは共産党6名、社民党4名、沖縄出身の無所属議員・糸数慶子氏の11名でした。
しかも、ヨルダンとだけでなく、韓国、ベトナム、ロシアとの原子力協定も次々と国会承認の運びとなる可能性が高いようです。
国内向けには、選挙民の原発不信を考慮して一応反原発的なポーズを取る議員が増えているようですが、彼らの本質はこんなものなのでしょう。

No title

朱の盤さんへ

脱原発に向けての憲法改正案についてですが、
そもそも、世論調査によれば日本の民意は、
現状維持と原発増設を合わせると過半数が支持しているのです。
今回の統一地方選の結果にも現れていて、
東京の石原はもとより、原発銀座と言われる福井や島根も
原発推進派の知事を当選させています。
福島の惨事を受けて欧米では急速に脱原発に向けての民意が
盛り上がっているというのに、
当事国日本の民意はこの期に及んでも反応が弱いのです。
日本の保守的な国民性というものがここに如実に現れていると
思いますし、
日本はデモクラシーの後進国で、エスタブリッシュメントに対して
民意の盛り上がりで国の政策の方向性を変えていこうという
モチベーションが醸成されにくいのです。
強烈な外圧なり、自分自身の生活の深刻な破局でも無い限りは、
(被災者の方々はそうなのですが)
ベクトルを変えようという意識をもてないのかもしれません。
ここに
日本という国の民の保守性と閉鎖性と特殊性があるのかもしれません。

こちらでは初めまして。

本記事から離れたコメントで恐縮ですが、
私は『原子力及び核エネルギーの放棄』については、憲法を改正してでも、国民の総意として条文に盛り込む必要を感じています。
そこまでのことをしなければ、今回の事態に対する海外の日本への評価は、自分たちで引き起こした事態に対する反省も出来ない、愚かな国及び国民のレッテルをバシバシはられ続けることになるでしょう。どれだけお金で海外に賠償を払ったとしても。
それは日本の経済活動その他にも大いに影響を及ぼし、圧倒的不利な国際条約を結ばされる隙にもなります。
日本の安全保障をと考えるならば、そういった点から憲法改正の必要性は今回、強く感じます。

無論、直ちに全てというのはおそらく代替え発電の普及等の関係からも無理にしても、20ウン年までに現在の何%まで削減し、次にはこのぐらい減らす(あるいは再び国民動議にかける)というのを、具体的に盛り込んだ形にした方が、憲法9条の戦力放棄を拡大解釈してあまり軍事縮小に熱心でないような、官僚のテクニックを封じることが出来ます。
また、政権が何かの拍子で原発推進派に揺り戻ったとしても、憲法が安全弁となり、原発再推進の動きを抑えることが出来る。
ついでに言うと、戦力の放棄に関しても、同じように具体的な削減を憲法に盛り込んで改正し、順次減らしていく方式を取った方が、本当に減らせると思うのですがね。
少なくとも、9条の条文を強化する形に憲法を改正して、拡大解釈による自衛隊や軍事力の発動を抑える形にした方が、より憲法を生かせると思う。
9条に関しては、ほとんど憲法の遵守が死に体になっているのが、個人的にはすごく残念なので。

ただ現在は、「『原子力及び核エネルギーの放棄』を憲法の条文に新たに加える」一本で憲法改正を訴えた方が、国内での余計な揉め事を抑えて国外との余計な揉め事を減らせる早道だろうから、まずはそれを左翼右翼問わず、強く訴えていくべきだと思う。

日本は(エネルギー戦略的に)敗戦したのだ、太平洋を派手に汚染し世界中に迷惑をかけたのだ、一からやり直さなければと思うぐらいまでの気概で日本の思いを条文に込めて、海外に日本の反省・総括を国体として伝える憲法に新たにすべきだと思う。

No title

フリスキーさんとは行き違いになってしまいましたね。新しいコメントではフリスキーさんは「護憲」を堂々と述べられていますから前回の私のコメントで書いた

>「改憲反対」だの「九条護れ」など一言も書いてませんよ。

は取り消しましょう。

しかし、これは筋違いの護憲派批判を持ち出すことが原発事故の責任所在を曖昧にしてしまうという主張には影響しません。
ところで、前々回コメントの最後に「原発の父」といわれる元A級戦犯の正力松太郎も、彼と組んで原発を推進した中曽根康弘も筋金入りの改憲論者と書きましたが、二人とも反吉田であったこともよく知られています。私も吉田ドクトリンには反対です。その矛盾の吹きだまりが沖縄ですものね。しかし、原発推進の最大責任者はスルーして、いきなり護憲政党と吉田ドクトリン支持派批判というのはどう考えてもおかしいでしょう?

Takky@UCさんへ

フリスキーさんや私のコメントをよく読んでくださいな。
「改憲反対」だの「九条護れ」など一言も書いてませんよ。
前回コメントの冒頭に書いたように、安全保障や九条についてどう考えようと、もちろん自由だと思っています。 私たちが問題にしたのは、ここで筋違いの護憲派批判を持ち出すことが原発事故の責任所在を曖昧にしてしまうということなのです。

それともTakky@UCさんは、メトロうさぎさんが鍋コミュメンバーでなければ、私たちの反論を正当と認めるのでしょうか?そういう感覚っておかしくないですか?

No title

すいません、これだけは言わせてくださいね。

自然災害や原発については、前者については、大自然が相手ですから
国家は常に受身によって防災体制を備えていくことが求められます。
後者は、逆に一方的な能動性によって安全対策や脱原発へのステップを
講じていくことになります。
両者に共通しているのは、一方の人間の側の作為、不作為の問題となります。

それに対して、
国防の問題と言うのは、相手国あってのもので、双方向性によって
作用しあっているのです。
歯止めなき軍拡競争に入り、これがエスカレートしていくと、
かつての世界大戦や米ソ冷戦時代を見れば解るとおり、
どちらかの財政が逼迫し経済危機を向かえ
国民の生活に窮状をもたらすか、実際の戦争によってどちらかが敗北するという
形で一方の破局を待たなければならなくなります。
ですから、
歯止めが必要なのです。
私は非武装中立論者ではありませんが、歯止めとしての9条を有効性を
評価しているものです。
歯止めなき軍拡競争が、我が国の安全保障にとっては逆効果だと
考えるものです。
そもそも
軍拡がそこまで安全保障に有効であるのならば、
相互確証破壊による均衡が必要になってきますね。
たとえば中国や北朝鮮が核をもっているのだからという理由で
日本も核兵器を持たなければ相互確証破壊が成り立ちませんね。
そうやって、
とめどなき軍拡が何をもたらすのか、という点を考える必要が
あると思います。
今国際的に必要なのは、軍拡ではなくて軍縮へのアクションです。
日本においてどうして9条を改定する必要がありましょうか。

繰り返しますが、
自然災害や原発問題と、軍備については、
後者については、国家間の双方向性によって作用しあっている問題であって
両者をいっしょくたにして論じるのは、
短絡的だと言わざるを得ません。

みなさんへ

鍋パーティは、「再配分を重視する市民の会」という共通認識の下であつまりました。
しかし、安全保障や憲法九条については、鍋党員それぞれ思想があるでしょう。
なので、この件だけ(と言うとちょっと誤解があるかもしれないが)で鍋パーティ内で対立してしまうのは、鍋パーティの本意ではないとぼくは思ってます。ブログもようやく再開したことだし、鍋パーティとして、いま出来ることを皆さんで見つけていきたいと思います。皆さんよろしくお願いします。

No title

メトロうさぎさん
安全保障や九条についてあなたがどう考えようと、もちろん自由です。
しかし、今、災害救助や原発事故にそれを結びつけて論じるのは、責任の所在を曖昧にするだけ、どう考えても百害あって一利なしです。
「明治以来の官僚支配がー」と馬鹿の一つ覚えのごとく唱えることで貧困・格差の最大の責任者・財界への批判ずらしに貢献しているナントカ信者みたいなものです。東電・保安院・経産省・歴代保守政権にとっては心強いエールになるでしょうね。

例えば、重要な問題点のひとつに、原発の規制機関は、原発を推進する部門から独立させなければいけないと国際条約でも義務づけられているのに、日本では原発推進の経産省の一部門である保安院に安全チェックを一任してきたことがあります。早急に独立した規制機関を設置すべきですが、これにはあなたのおっしゃる「国家の安全保障に関する根本的な改善(=改憲)」など全く必要ないでしょう。
メトロうさぎさんは、共産党や社民党を、イデオロギーを国民の命に優先させて考えていると批判されていますが、あなたのコメントこそ原発問題にイデオロギーを持ち込んで論点をずらしているとしか思えません。

尚、「原発の父」といわれる正力松太郎は冷戦・逆コースにのってA級戦犯から返り咲いた人物、原発推進の最大責任者・中曽根康弘と同じく改憲論者として有名です。

No title

いやいや、論点が違うと思う時点であなたも世界標準からは100万海里ズレてるんですよ。同じなんです。軍事も原発も。国家と国民の『安全保障』という観点がすっぽ抜けているという意味でまったく同じなんです。

ぼくは革新政党がいうことがすべて「狂人みたい」とはいってないですよ。でも共産党が原発の不備を指摘していた点について、それが正しかったからといって、イコールで共産党が国家国民の安全保障についてマトモな政党とはいえないんです。

それこそ論点ずらしでしょう?

軍事力を放棄すれば日本は他国から攻められないなんて妄想でしかない。そんな危険思想を日本国民に押し付けて、もしものことがあっても彼らに責任なんぞとれませんよ。せいぜい自分達だけ逃げ出して、「こんなはずではなかった」だのいうくらいでしょう。原発の危険性を隠して国民にリスクを押し付けた自民党や東電と、何が違うんですか?

同じなんですよ、やってることが。

日本を除く全世界の共通認識からみれば、軍備を放棄すべしなんて主張をする日本の革新政党と、吉田ドクトリンを墨守する自民党は無為無策無能、そして利己主義という意味で完全に同類。同じ穴のムジナなんです。

共産党は原発と社会福祉や労働問題についてはマトモなことをいっていますが(←ここはぼくも評価してますよ)、それ以外は大いに疑問符がつく政党です。問題の根底は同じ。国民の安全と平和より自分達のイデオロギーや利益を優先する。前者は共産党。後者は自公や民主党。国民のことを第一に考えていないという点で、双方失格でしょう。

原発問題を原発だけの問題と捉えるなら、それは政治的バランス感覚がないといわざるをえません。安全保障(⊃原発問題)という、大きな視野でみないと。

国民が叩きつけるべきは、No!なんです。自公にも、民主にも、そして共産にも。
共産党だって、原発では正しかったけど、他の事に関してはいくらでも国家国民を危機に陥れる可能性があるんですから。

そうでなきゃ、西欧や北欧レベルの社会は絶対に実現しませんよ。
共産党は安全保障に目覚めないかぎり、永遠に「確かな野党」です。

No title

メトロうさぎさんて地下鉄うさぎさんの別名と思いますが、この粗雑なコメントにはびっくりです。

「護憲」を狂人の戯言扱いし、自分たちのイデオロギーを国民の命に優先させて考えていると言われてますが。

自衛隊員の総数はおよそ24万人、しかし、今回動員された隊員はその半分以下の約10万人。
自衛隊は軍隊です。「外敵」から国を守る「安全保障」が第一の任務ですから全員を災害救助にあてるわけにいかないのです。また、莫大な国費を使って購入した戦車やミサイルなんて、災害救助にはなんの役にもたちません。災害救助が本来の任務の部隊であれば、全動員が可能な上、その装備や能力をフル活用することで、もっと多くの命を救えたのではないでしょうか。
地震や台風など日本は自然災害が多く、毎年のように多くの人がその犠牲になっています。北朝鮮や中国などより自然災害のほうが、よほど現実的な脅威だと思いますけど。

No title

メトロうさぎさん

>日本の革新政党は9条を維持する目的で「護憲」だの
>「非武装論」だの狂人みたいなことをいってますが、これは論外です。

どうして原発事故という具体的な事象が問題になっているときに、
違う論点を持ち出して護憲批判をするのかなあ・・・(苦笑)

そもそも、その“狂人みたいなこと”を言っている人たちが、
以前からずっと原発の危険性を指摘、警告しつづけてきたのですよ。
共産党の吉井英勝議員の国会における追求を当時の自公政権と当局は
無視しつづけてきたわけです。
そして吉井議員の危惧したとおりの事態に至ってしまっているのです。
今回の事故以前から、事故のリスク及び最前線の被爆労働の実態を“狂人みたいなこと”を言っている人たちが
告発し続けても、無視し続けたのは、官僚、電力会社、原発企業、御用労組といった
原発ムラ及び、これにお膳立てをしてきた保守系の政治家に責任があるわけでして、
あなたの書き込みでは、
この問題の当事者責任をあやふやにするばかりではなく、
その責任の一端を警告、告発してきた側にも押し付けるもので、
そういう見当違いな、ふざけた書き込みは控えるべきだと思いますよ。

安全保障の考えがすっぽ抜けている日本人

日本は半世紀以上もアメリカに安全保障と外交の大半を丸投げしてきた歴史があるので、右にも左にも危機管理の思想がありません。また、

「安全とされているものに、万が一はない」

という言霊信仰がいまでも根強いのが日本人です。
ですから、仮に日本が大きな政府になったとしても、財源を確保できたとしても、緊急事態における危機管理能力の向上は見込めないとぼくは考えています。

国家の安全保障に関する根本的な改善をはかろうとするなら、まずは日本人が自らの手で平和や安全な社会を築くという思想を広めることじゃないでしょうか。

日本の革新政党は9条を維持する目的で「護憲」だの「非武装論」だの狂人みたいなことをいってますが、これは論外です。保守政党の代表たる自民党も同罪で、吉田ドクトリンを墨守することで日本の独立を放棄し、アメリカに日本を売り渡す代償として甘い汁を吸い続けてきました。つまり安全保障については、右も左もまるでダメということです。自分たちの利益やイデオロギーを、国民の命に優先させて考えているのですから政治家失格ですね。

じゃあ、国民がこれにどういう判断を下すか・・・ですが、ぼくが見る限り国民も安全保障に関してはまるで盲目ですから、当分いまのような「無駄に犠牲者がでる社会」が続くんじゃないかと思います。
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 「鍋党」(Nabe Party)の参加者がつくるブログです。
 「鍋党」は、再分配を重視する市民の会です。私たちは、格差の縮小と貧困の解消を目指し、国や地方公共団体による、富の再分配の強化を求めます。そのため私たちは、「官から民へ」ではなく、「私から公へ」を追求します。

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