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法人税(3) 国際競争力とは?

日本企業の海外移転の理由については、以下のことが考えられる。

  • インドや中国などに大きな市場がある
  • インドや中国などの安い人件費
  • 円高の影響

上記3点のほうが、日本の法人税率による理由よりも大きいのが実情だと思う。実際の日本の大企業の実効税率は30%程度であり、これは前々回のエントリ「法人税(1) 日本の法人税はそんなに高いのか?」で書いた。

そもそもこの「国際競争力」とはなんだろうか?
マスコミはTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加しなくては、国際競争に乗り遅れると言う。特におとなり韓国を強く意識しているようにぼくには見て取れる。
2008年にノーベル経済学賞を受賞した国際経済学者、ポール・クルーグマンは、国際競争力というものはペテンだということを言っている。国際競争力をつけなくてはいけないからと賃下げするのは愚の骨頂だと主張してきたのだ。アメリカは貿易依存度は1割程度で内需が9割の国なのに、そんな国で労働者の賃金を下げていったらマーケットが小さくなって経済がだめになるというのがクルーグマンの考えである。国際競争力信仰の危うさを看破した画期的な人なのだ(*1)。

それでは日本の場合はどうなのだろうか?
ある人からメールで教えてもらったのだが、

----

先年暮れに発表されたOECD加盟国の経済指標からの引用ですが
GDPにおける外需の貢献度(つまりは外需依存度)は
韓国 45%
そして加盟国中トップです。
欧州は軒並み30%台。独は40%以上
対して日本は
14%
たったの14%。しかも数十カ国中下から三番目。

----

ぼくもすっかり日本は「外需主導型経済」とばかり思い込んでいたのだが、この人に言われて初めて「日本は完全な内需主導型経済」だということがわかった。つまり韓国がTPPに参加するのは外需主導型であり、そもそも人口が日本の半分程度のマーケットであることを考えると、韓国にとってはTPPは選択の余地がなかったのであろう。しかし、それと日本を一緒に考えているのはたいへん危険なことだ。TPPでのアメリカへの更なる輸出増強をすれば、さらに貿易黒字となり円高になるのではなかろうか?日本企業は自分の首を絞めるようなことにならないのであろうか?あまったドルでアメリカからたくさん米(こめ)を買えと言われても日本の農家が困るというものだ。

今この時期に政府がやるべきは、「財政再建のための消費税増税」ではない。
将来、消費税増税が必要だと百歩譲って賛成したとしても、いまこの大不況時に、消費税増税はありえない。今この時期に消費税増税をすれば、内需はさらに落ち込み日本市場(マーケット)はさらに小さくなるだろう。政府がやるべきは、大企業に雇用と納税の社会的責任をしっかりと迫ることである。

参考図書
*1:富裕層が日本をだめにした!「お金持ちの嘘」にだまされるな・和田秀樹

【Takky@UC】


[編集部より]
Takky@UCさん執筆の法人税に関するエントリは、今回が最終回です。当ブログでは、mixiの「鍋党コミュ」参加者のみならず、読者の皆さまから広くブログに掲載するエントリを募集しますので、われこそはと思われる方はどしどし原稿をお寄せ下さい。投稿は、当ブログのコメント欄(非公開コメントの投稿が可能)などをご利用ください。心よりお待ちしております。なお、お寄せいただいた原稿は、当ブログでの公開に先立って、「鍋党コミュ」内で公開する可能性があります。コミュでの議論に興味がおありの方は、是非ご参加ください。
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

■ Comment

輸出品の中身の違いでは?

貿易額(絶対額)は貿易品総額に占める最終製品の割合が大きくなる場合は大きくなり逆に材料・部品の占める割合が大きくなる場合は小さくなるものです。
例えば優れた技術や特産資源を持つ国はそれをそのまま輸出すれば、仕入れ原価ゼロで輸出している形になりますから、輸出の絶対額は小さいながらも、大きな利潤を得ていることになります。
逆に単純な組み立て作業はできても高度な技術を必要とする部品作りができないような国は、他国から部品を高い原価として仕入れてそれを安い人件費で組み立てて輸出する形になりますから、輸出の絶対額は大きいながらも、利潤は小さい、という感じです。
おそらく、前者のような国は輸出だけでなく輸入の額も小さいはずですし、後者のような国は輸出入とも多くなるはずです。
一国の経済に占める貿易の重要性を測るときは貿易の絶対額ではなく、貿易によってどれだけの利潤(所得)をその国の国民が得ているか、という点で考えたほうが正確ではないかと思われます。
日本の場合はもちろん前者で、高付加価値を誇る機械部品・特殊素材・工作機械・製造装置をきわめて安い原価から生み出し輸出している訳で、外需主導でないとは言えないと思います。

さすが

Takky@UCさんの記事でいつも勉強させてもらってます。
これからもがんばってください。

No title

新自由主義よりと思えるジャーナリストなども「日本は内需主導経済」と言っているのですけど。

日本はもう十分、内需主導経済です
http://www.quon.asia/yomimono/business/oonishi/2009/08/19/1942.php

「輸出立国」の堅持が日本の生命線
http://www.mizuho-ri.co.jp/company/info/viewpoint/20110112.html
尚、この記事では、GDPに占める輸出比率(輸出依存度)の2000年から2009年の平均で、日本13.7%、アメリカ10.8%、ドイツ41.0%、中国37.5%、韓国41.6%となっています。

後者のタイトルからわかるように、この方たちは、日本の経済成長を支えるのはなんといっても外需とし、その貢献度が落ちていることに危機感を表明しています。しかし、50~70年代に高度経済成長を実現できたのも活発な輸出だけでなく堅調な内需の伸びがあったからこそです。そして、それを支えたのが着実な賃金の上昇でした。それが、第1次オイルショックの後、財界によって抑え込まれ徐々に低下。外需に依存する割合が増えていくのですが、それが日米経済摩擦を生み、規制緩和はじめアメリカによる新自由主義の押しつけを余儀なくされ、今日の貧困・格差社会を生み出してしまったのです。
健全な経済発展のためには外需に依存ずるだけではだめで、内需を拡大することが不可欠です。

No title

> 日本のGDPには反映されていません。

日本のGDPに反映されない = 日本の経済的豊かさに反映されない
これが全てだと思います。

じゃあ、なにに反映されているのか。
ソニーだのホンダだのトヨタだのの企業価値に、です。


> 日本の経済は決して「内需主導型」なんかではありません。

これはちょっと整理する必要があります。
日本経済において、内需の占める割合が大きい、というのは厳然たる事実です。
一方で、なにが伸びると期待されるか?という点でいえば、これだけ内需が伸び悩む中では、やはり期待は外需ということになってしまう。そういう意味では、確かに「内需主導」とは言いづらい状況があります。

ただし、国内生産が外需に向かう、ということが少なくなってきている、つまり現地生産が主となってきている状況下では、外需での利益は海外投資に向かうというだけで、国内経済を潤すことにはつながりにくい。
ただでさえ、貯蓄過多の黒字国で、世界最大の債権国である日本。それでもしつこく海外に投資し、国内を豊かにすることには背を向け続ける。これはどう考えても正しいとは思えません。

No title

日本の外需貢献度が14%という数字に隠れている現実を忘れているのではないでしょうか?
日本の企業の多くは既に生産拠点を海外に移しています。例えばソニー、このソニーは液晶テレビの生産はほぼ100%海外です。自動車メーカーであるトヨタも日産もホンダも海外に生産拠点をおいています。
こうした海外の生産拠点で生産され、海外で販売されているものは、日本のGDPには反映されていません。その為に外需貢献度が14%と低くなっているのです。
確かにポール・クルーグマンの提言は正しいと思います。しかしこれを日本の経済に安直に当てはめるのは非常に危険です。日本の経済は決して「内需主導型」なんかではありません。
TPPへの不参加は、今猛烈に反対している農家の皆さんにも大きな打撃となると私は考えています。その論拠はコメントとして記載するには長すぎるので割愛いたしますが・・・
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